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12. 縮小形 (اَلتَّصْغِيرُ - at-taṣghīr)

縮小形 (at-taṣghīr) は、名詞の形を特定のパターンに変化させることで、「小さい〜」「可愛い〜」という愛情親愛の情を示したり、逆に「取るに足らない〜」という軽蔑矮小化のニュアンスを加えたりする修辞的な手法です。

縮小形の作り方

縮小形には、元の名詞の文字数に応じた3つの主要なパターンがあります。

1. 三語根の名詞: فُعَيْلٌ (fuʿaylun)

  • ルール: 最初の文字にダンマ、2番目の文字にファトハを付け、その後にスクーン付きの ي を挿入する。
元の名詞発音縮小形発音意味
نَهْرٌnahrun (川)نُهَيْرٌnuhayrun小川
جَبَلٌjabalun (山)جُبَيْلٌjubaylun小山
كَلْبٌkalbun (犬)كُلَيْبٌkulaybun子犬
قَمَرٌqamarun (月)قُمَيْرٌqumayrun小さな月

2. 四語根の名詞: فُعَيْعِلٌ (fuʿayʿilun)

  • ルール: فُعَيْلٌ のパターンに加え、4番目の文字の前にカスラを置く。
元の名詞発音縮小形発音意味
مَلْعَبٌmalʿabun (競技場)مُلَيْعِبٌmulayʿibun小さな競技場
دِرْهَمٌdirhamun (ディルハム)دُرَيْهِمٌdurayhimunはした金
جَعْفَرٌJaʿfarun (人名)جُعَيْفِرٌJuʿayfirunジャアファルちゃん

3. 五語根以上の名詞: فُعَيْعِيلٌ (fuʿayʿīlun)

  • ルール: 4番目以降の文字を一つ削除し(弱文字の場合が多い)、فُعَيْعِلٌ のパターンに ي を追加する。
元の名詞発音縮小形発音意味
عُصْفُورٌʿuṣfūrun (スズメ)عُصَيْفِيرٌʿuṣayfīrun小さなスズメ
مِفْتَاحٌmiftāḥun (鍵)مُفَيْتِيحٌmufaytīḥun小さな鍵

縮小形の意味と用法

  1. 小ささ・量の少なさ:

    لَدَيَّ دُرَيْهِمَاتٌ فَقَطْ. (ladayya durayhimātun faqaṭ) 私はほんのわずかなお金しか持っていない。

  2. 愛情・親愛:

    يَا بُنَيَّ، لَا تُشْرِكْ بِاللَّهِ. (yā bunayya, lā tushrik bi-llāh) 我が子よ、アッラーに何ものをも並べてはならない。 (اِبْنٌ [息子] → بُنَيٌّ)

  3. 軽蔑・矮小化:

    هَٰذَا شُوَيْعِرٌ وَلَيْسَ شَاعِرًا. (hādhā shuwayʿirun wa-laysa shāʿiran) これは詩人などではなく、似非詩人だ。 (شَاعِرٌ [詩人] → شُوَيْعِرٌ)

  4. 時間・場所の近さ:

    نَلْتَقِي قُبَيْلَ الْعَشَاءِ. (naltaqī qubayla l-ʿashāʾi) 夕食の少し前に会いましょう。 (قَبْلَ [前] → قُبَيْلَ)

縮小形は、日常会話で頻繁に使われるものではありませんが、文学作品、詩、ことわざ、そして特に子供への呼びかけなどで見られます。そのニュアンスを理解することは、アラビア語の表現の豊かさを知る上で非常に有益です。