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5. 目的の対格 (اَلْمَفْعُولُ لِأَجْلِهِ - al-mafʿūl li-ajlihi)

目的の対格 (al-mafʿūl li-ajlihi)、または理由の対格は、文中の動詞の行為が**「なぜ」「何のために」行われたのか、その理由や目的**を説明するために使われる対格の名詞です。

これは通常、動名詞 (maṣdar) の形を取り、心的な・感情的な動機(例: 尊敬、恐怖、希望、愛など)を表すことが多いです。

例:

أَقِفُ لِأُسْتَاذِي (aqifu li-ustādhī) - 私は先生のために立ちます。 أَقِفُ احْتِرَامًا لِأُسْتَاذِي (aqifu iḥtirāman li-ustādhī) - 私は先生に敬意を表して立ちます。

この文では、احْتِرَامًا (尊敬の念から) が、「立つ」という行為の理由を説明する目的の対格です。

目的の対格の条件

ある名詞が目的の対格として機能するには、いくつかの条件があります。

  1. 動名詞であること: 行為の理由を表すため、通常は動名詞が使われます。
  2. 対格であること: 格は常に対格 (manṣūb) です。
  3. 理由を説明すること: 「なぜ?」という問いに対する答えでなければなりません。
  4. 心的な行為を表すこと: 多くの場合、رَغْبَةً (希望して)、خَوْفًا (恐れて)、حُبًّا (愛から)、طَمَعًا (渇望して) のような心的な動機を表す動名詞が使われます。
  5. 動詞と主語・時が一致すること: 目的の対格が示す行為は、主文の動詞と同じ主語によって、同じ時間に行われる必要があります。

目的の対格の例文

  • 私は知識を求めて旅をする。

    أُسَافِرُ طَلَبًا لِلْعِلْمِ (usāfiru ṭalaban li-l-ʿilmi)

    • なぜ旅をするのか? → طَلَبًا لِلْعِلْمِ (知識を求めて)
  • 彼は罰を恐れて嘘をついた。

    كَذَبَ خَوْفًا مِنَ الْعِقَابِ (kadhaba khawfan mina l-ʿiqābi)

    • なぜ嘘をついたのか? → خَوْفًا مِنَ الْعِقَابِ (罰を恐れて)
  • 兵士は国を守るために死んだ。

    مَاتَ الْجُنْدِيُّ دِفَاعًا عَنِ الْوَطَنِ (māta l-jundiyyu difāʿan ʿani l-waṭani)

    • なぜ死んだのか? → دِفَاعًا عَنِ الْوَطَنِ (国を守るために)
  • 私たちは報酬を期待して働きます。

    نَعْمَلُ أَمَلًا فِي الْمُكَافَأَةِ (naʿmalu amalan fī l-mukāfaʾati)

    • なぜ働くのか? → أَمَلًا فِي الْمُكَافَأَةِ (報酬を期待して)

前置詞 لِـ との違い

行為の理由や目的は、前置詞の لِـ (li-) を使って表現することもできます。

أُسَافِرُ لِطَلَبِ الْعِلْمِ (usāfiru li-ṭalabi l-ʿilmi) 私は知識を求めるために旅をする。

この場合、لِـ の後ろの名詞は属格になります。

目的の対格 (طَلَبًا) を使うと、より修辞的で格調高い響きが生まれます。一方、前置詞 لِـ を使う表現は、より直接的で一般的です。

まとめ

目的の対格は、「なぜその行為が行われたのか」という問いに、**心的な動機を表す動名詞(対格)**で答える用法です。

  • 構文: [動詞] + [主語] + [目的の対格 (動名詞・対格)] + ...
  • 意味: 「〜という理由で」「〜を求めて」「〜から」

أَتَصَدَّقُ ابْتِغَاءَ مَرْضَاةِ اللَّهِ (ataṣaddaqu btighāʾa marḍāti-llāh) 私はアッラーのご満悦を求めて施しをする。 (ابْتِغَاءَ が目的の対格)