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8. 呼びかけ (اَلنِّدَاءُ - an-nidāʾ)

呼びかけ (an-nidāʾ) は、「〜よ!」と人や物に呼びかけるための構文です。

呼びかけは、呼びかけの助詞 (أَدَاةُ النِّدَاءِ) と、それに続く被呼びかけ語 (اَلْمُنَادَى) の2つの要素で構成されます。

例:

يَا وَلَدُ (yā waladu) - 少年よ!

  • 呼びかけの助詞: يَا (yā)
  • 被呼びかけ語: وَلَدُ (waladu)

呼びかけの助詞

最も一般的に使われる呼びかけの助詞は يَا (yā) です。他にも、距離感などに応じていくつかの種類があります。

  • يَا: 最も一般的。近い相手にも遠い相手にも使える。
  • أَ / أَيْ: 近い相手に使う。 (例: أَخَالِدُ - ハーリド!)
  • أَيَا / هَيَا: 遠い相手に使う。 (例: هَيَا غَافِلًا - 怠け者よ!)

被呼びかけ語 (اَلْمُنَادَى) の格

被呼びかけ語の格は、その単語の種類によって、主格の形を取る場合対格になる場合の2つに大別されます。

1. 主格の形を取る場合 (مَبْنِيٌّ عَلَى الضَّمِّ)

これは、格変化せずに主格の形(タンウィーンなしの ـُ)に固定されます。

a) 固有名詞

  • ムハンマドよ!

    يَا مُحَمَّدُ (yā Muḥammadu) (❌ مُحَمَّدٌمُحَمَّدًا ではない)

  • ファーティマよ!

    يَا فَاطِمَةُ (yā Fāṭimatu)

b) 特定の個人を指す普通名詞

聞き手の中にいる特定の個人を指して呼びかける場合。

  • (目の前の)男性よ!

    يَا رَجُلُ (yā rajulu)

  • (目の前の)学生よ!

    يَا طَالِبُ (yā ṭālibu)

2. 対格になる場合 (مَنْصُوبٌ)

以下の場合、被呼びかけ語は対格 (manṣūb) になります。

a) 不特定の個人を指す普通名詞

聞き手の中にいる特定の個人ではなく、不特定多数の中の誰かに呼びかける場合。

  • (どこかの)怠け者よ、目を覚ませ! (演説などで)

    يَا غَافِلًا، تَنَبَّهْ (yā ghāfilan, tanabbah)

b) イダーファ構文

被呼びかけ語がイダーファ構文(〜の〜)になっている場合、最初の名詞(ムダーフ)は対格になります。

  • アブドゥッラーよ! (アッラーのしもべよ)

    يَا عَبْدَ اللَّهِ (yā ʿabda-llāhi)

  • 平和を求める者よ!

    يَا طَالِبَ السَّلَامِ (yā ṭāliba s-salāmi)


ال が付いた名詞への呼びかけ

定冠詞 ال が付いた名詞に直接 يَا を付けることはできません(اللَّهُ を除く)。

ルール: يَا の後に、男性なら أَيُّهَا (ayyuhā)、女性なら أَيَّتُهَا (ayyatuhā) を置き、その後に ال の付いた名詞(主格)を続けます。

  • 男性よ!

    يَا أَيُّهَا الرَّجُلُ (yā ayyuhā r-rajulu)

  • 女性よ!

    يَا أَيَّتُهَا الْمَرْأَةُ (yā ayyatuhā l-marʾatu)

  • 人々よ!

    يَا أَيُّهَا النَّاسُ (yā ayyuhā n-nāsu)

اللَّهُ への呼びかけ

اللَّهُ (アッラー) は例外で、直接 يَا を付けることができます。

يَا اللَّهُ (yā Allāhu)

または、يَا を省略し、語末に強調の مَّ を付けた اللَّهُمَّ (Allāhumma) も非常によく使われます。

اللَّهُمَّ اغْفِرْ لِي (Allāhumma-ghfir lī) - アッラーよ、私をお許しください。